遅くなったが、芥川龍之介「侏儒の言葉」引用後編。
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忍従はロマンティックな卑屈である。
自由は山巓(さんてん)の空気に似ている。どちらも弱い者には堪えることは出来ない。
文を作るのに欠くべからざるものは何よりも創作的情熱である。その又創作的情熱を燃え立たせるのに欠くべからざるものは何よりも或程度の健康である。瑞典(スエーデン)式体操、菜食主義、複方ジアスタアゼ等を軽んずるのは文を作らんとするものの志ではない。
最も困難な芸術は自由に人生を送ることである。
自由思想家の弱点は自由思想家であることである。彼は到底狂信者のように獰猛(どうもう)に戦うことは出来ない。
或物質主義者の信条
「わたしは神を信じていない。しかし神経を信じている。」
革命の上に革命を加えよ。然らば我等は今日よりも合理的に娑婆苦を嘗むることを得べし。
人間的な、あまりに人間的なものは大抵は確かに動物的である。
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偏狭な天才、といった感がある。
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